僕らが出会ったのは三年前。男子二十五名と女子十四名の計三十九名で構成された八組理数科は、あの日からずっと苦楽を共にし、戦い抜いてきた。

 このクラスの特徴は、ひとりひとりがとても個性的であること。そしてクラスとしてまとまりがあることだと思う。それがもっとも発揮されたのは学校祭だろう。

工夫に工夫を重ね、見事優勝したステンドグラス。抜群のチームワークで準優勝を勝ち取った露店、壁新聞。リーダーの的確な指揮の下、一致団結して描いた学級幕。活発に意見を出し合い、最高の舞台を創り上げたステージ。

それぞれのパートがメンバーの個性を生かし、協力し合うことで完成した僕らの学校祭は、総合優勝という最高のエンディングを迎えることができた。

そう、八組は一人一人の個性が衝突することなく調和し、生かされ、「クラス」というひとつの集団としてうまく機能していた。「依存」とは違う、確かな「信頼」関係がそこにあった。

 みんなと過ごした三年間は、本当に楽しくて充実していた。みんなで競い合った定期テスト。「あのトロフィーは誰の物だ?」が合い言葉の英単コンテスト。クラス一丸となって戦った体育祭。様々なものを見て学んだ見学旅行。この三年間であったこと一つ一つが、決して忘れることのできない大切な思い出だ。

 これから僕らは別々の道を歩んで行く。それは決して楽な道じゃないし、辛く苦しいこともたくさんあると思う。そんな時は、このクラスのことを思い出そう。

どんな困難にも屈せず乗り越えてきたことを忘れずに、みんなと共に過ごした三年間の思い出を胸に、諦めずに最後まで戦い抜いていこう。

 -----いつの日か、笑顔でみんなとまた会えるように。